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2005年6月 9日 (木)

日本にステイツマンは現れるのか

 政治とは難しいものである。日本は民主主義になってから早100年も経つが、未だに国民が納得するような政策をとれる政治家は現れない。国民が理想とする政治の形態から今の政治がかけ離れていると思ってしまうのは、政治家に汚職がついて回るという理由によるのかもしれない。本当に理想の政治家はいつになったら現れるのか。

 日本よりも民主政治の経歴が長い欧米諸国では一口に政治家といっても、それを指し示す言葉は一つではない。英語で政治家を指し示す語は「ステイツマン」と「ポリティシャン」の二つが存在する。二つの意味の違いはステイツマンが「公平無私な良い政治家」というニュアンスを持っているのに対し、ポリティシャンは「利権などを重視する政治屋」といった風に訳し分けられる。この意味の違いを知ったときは私も思わず感心してしまったものである。欧米の民主政治についての成熟度には日本はまだまだ及ばないのだろう。

 さて、政治家の汚職が起こる構造とは何だろうか。それは政治家が選挙時に莫大な選挙費用を地元企業に資金援助をお願いすることから始まる。そうして他人に金を出して貰って当選したという負い目がある政治家は、その支援者に対して何らかの対価を支払わなければならないと思うだろう。そんなことから不正な談合などの癒着構造が生じるのである。それを防ぐにはどうしたらよいか。それは簡単である。選挙時に必要な資金を自前で揃えて選挙に当選すればよいのだ。それで少なくとも支援者に対して負い目を感じるということはなくなるだろう。

 こんな風に言えば、それは金持ちによる政治で民主政治とは思えない、と言われる方もいるかもしれないが、こうしたケースの方が支援者や利権団体が政治家をあやつり人形にしてしまうという事態は防げるのである。古来、国の政体を民主政へと導いた主導者には、打倒される側であるはずの貴族に属していた例も少なくなかった。古代ギリシャが民主政へと向かう足がかりとなった「ソロンの改革」を行ったソロンは貴族だった。彼のような先見の明を持った、それでいて既存階級のうちで力を有している者が有能な指導者となれるのだ。

 日本の志ある金持ちよ、ステイツマンを目指す条件を揃えているのはあなた方だけなのだ。なに、政治の知識がなくて困るだって?それなら私を政策顧問として雇えばいいではないか。

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