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2005年6月 6日 (月)

民主主義の国に亡命させてくれ!

 数日前、シドニーの中国総領事館の元政治担当領事、陳用林氏が豪州当局に政治亡命を申請した。理由は中国政府による反体制派への弾圧とされているが、オーストラリア政府は陳氏の受け入れを拒否した。現在、陳氏は豪州国内で妻子とともに隠れて住んでいるそうだ。陳氏は89年の天安門事件の際の民主化運動に参加した後、再教育を受けて91年に外務省に入省したという。

 天安門事件とは、89年の6月4日に中国北京の天安門広場で起こった民主化デモを軍隊で弾圧した事件である。当時の学生を中心としていた平和的民主活動が軍の装甲車の乱入により、一瞬にして悪夢に変化したと言われている。この事件における死者は、公式には319人とされているが、この数字が中国当局の発表によるものであることを考えると、実際の死者は更に多かったことが考えられる。

 この事件は中国の政治弾圧の実態を示す出来事としてよく挙げられるが、現在の中国はどうなのだろうか。一昨日の4日は天安門事件から16年経った日であったが、この16周年を前に中国当局は民主運動家への監視を強化し、その結果十数人が拘束されたそうだ。16周年当日には、まだ民主主義の色彩が残る香港で集会が開催され約4万5千人が参加したが、この数は去年の半分に過ぎず、民主化運動の規模が縮小していることを示している。これは中国政府の徹底した情報操作の結果だろうか。16周年であるこの日に、中国の新聞各紙ではこの事件の記事が全く取り上げられなかった。残虐な事件の記憶は確実に中国国民から消えていっているのである。こういった事件の風化が中国政府に対する憎悪の念を忘れさせ、不満を国外にぶつけるような反日デモの動きにつながったという見方もある。

 さて、この亡命を申請して拒否された外交官だが、当人の発言によると中国政府のスパイがオーストラリアにも潜伏していて拉致・強制送還される、と恐れているようだ。なぜ各国はこのような人物の亡命を認定してやらないのか。オーストラリアが認定しなくても日本が代わりに認定してやったらいい。恐らく彼の目的は、中国という圧政国家から逃れ、民主主義国家に住むことなのだから。

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