« 「危険」を増殖させる夢の発電施設 | トップページ | 「差別語」という言論統制 »

2005年6月 1日 (水)

平成の大合併を食い止めろ

 総務省は30日、新市町村合併特例法に基づき、2005年3月末までに合併が決まらなかった地域を対象に引き続き合併を推進するための基本指針を正式発表した。新たに都道府県がまとめる合併の構想について具体的な組み合わせを示した指針は以下の通りである。
 (1)生活圏が同じ地域
 (2)行政権限が強くなる政令指定都市や中核市、特例市を目指す
 (3)人口1万人未満
また、都道府県は構想の作成について十分検討するための「審議会」を速やかに設置するよう求めているという。これは市町村数を現在の3200から1000に減らすことを目標としている「平成の大合併」を推進する施策の一貫であると言えるだろう。かつて日本では数多くある市町村数を減らすため「明治の大合併」「昭和の大合併」が政府によって断行された。行政区画の整理という観点からすれば必要なことであったのだが、なぜ今また「平成の大合併」が行われるのか。

 市町村合併のデメリットの一つは伝統ある市町村名が消えてしまうことである。由緒ある家柄の苗字と同じく、伝統ある市町村名はそこで暮らす人々に地縁共同体の誇りと結束を与えてきた。例えば大阪府の南部では富田林市と南河内郡の町村との合併が検討されているが、南河内郡の千早赤阪村はこれに断固反対している。千早赤坂と言えば、建武親政の動乱時に楠木正成が農民と共に立てこもって鎌倉幕府軍を退けた千早城、赤坂城の名称に由来する伝統ある村名である。このような伝統が単なる合理化のために消えていくことはなんとも寂しいことではないだろうか。
また合併は自治体の領域を広くするものであるから、自治体行政は都市の中心部にかかりっきりになってしまい、発展していない農村部などの末端部分の行政はなおざりになり更に過疎化が進む。いわゆる行政サービスの低下である。

 国はこれら合併に反対する自治体には地方交付税などの打ち切りをちらつかせて合併を断行させているのである。最近では住民投票などで合併に反対する動きも出てきているが、住民投票は議会の権限で棄却することができるので合併の足止めにはほとんど役に立っていない。これを解決する手だては住民投票に法的拘束力を与えることくらいであろうか。市民感情を合理化の名の下に切り捨てる「平成の大合併」は何としても食い止めなければならないのである。

|

« 「危険」を増殖させる夢の発電施設 | トップページ | 「差別語」という言論統制 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/56846/848537

この記事へのトラックバック一覧です: 平成の大合併を食い止めろ:

« 「危険」を増殖させる夢の発電施設 | トップページ | 「差別語」という言論統制 »