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2005年5月16日 (月)

革命の連鎖に揺れ動く中央アジア

 AP通信などは十五日、中央アジア・ウズベキスタンの東部アンディジャンで起きた大規模な反政府運動で、民間人を含む死者が約五百人に上るとする地元医師らの証言を伝えた。しかも隣国キルギスに流入した難民はすでに六百人を超えたという。

 ウズベキスタンで起こった大規模な反政府運動と、それを政府軍が強引に鎮圧しようとして大量の死者が発生した今回の騒乱は痛ましい限りである。なぜウズベク政府はこのような強硬手段をとってまで暴動を鎮圧しようとしたのだろうか。それを考える上で、ウズベキスタンの周辺諸国で連鎖的に発生した民主主義革命の動きを見逃すべきではない。

 中央アジアでの民主主義革命運動は既にグルジア、ウクライナ、そしてキルギスタンで発生し、暫定新政府を次々に樹立している。その民主化革命運動がなぜ起こったかというと、それは大きく二つの理由に分かれる。一つは、今まで続いてきたそれぞれの国の政権内で汚職や腐敗、独裁体質が強まってきたこと。もう一つは、そのような反政府の機運を民主化運動と言う形でアメリカの民間団体やNGOが煽り立てたことである。
後者の理由はアメリカや西欧諸国が旧ソ連圏の諸国を切り崩して自陣営に引き付けるための策略であることは明白であるが、いくら煽動と言っても、火のないところに煙は立たずという。やはり前者の旧来政権に対する反政府的気運の高まりによるところが大きい。

 その周辺諸国で起こった民主主義革命の波は、ウズベキスタンにもただならぬ影響と動揺をもたらした。ウズベキスタンではカリモフ大統領の娘の会社が複数の大企業を買収し、巨大資産を築いている。こうしたトップによる独占的な支配形態をとっているウズベキスタンは周辺諸国の政変に非常に敏感だったのだ。早速ウズベク政府は民主化支援を行うアメリカの民間団体・NGOを国内から締め出しにかかった。
そうして政府が政変に敏感になっているときにウズベクでも政変が発生したのである。しかし元々から野党活動を制限するなどしているこの国では、キルギスやウクライナのように弱腰ではなかった。すぐさま軍を動かして暴動を鎮圧した。それが今回の事件の結果である。
まだウズベキスタンの政変は始まったばかりなのだ。

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