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2005年5月14日 (土)

忍び寄る日本産業衰退のシナリオ・後編

 世界の経済先進国であるアメリカと日本だが、その二国の経済については非常に興味深い関連性が存在している。それはつまり、日本の経済構造がアメリカのそれを十数年くらいの遅れで後を追っているということである。日本が90年頃に直面したバブル経済、その後流行りを見せたカード経済、これらは全てアメリカで同様の経済現象が起こった十数年後に日本で起こっているのである。
アメリカの製造業の衰退については昨日に書いた。この製造業の衰退も日本と無関係とは考えられないのである。アメリカが直面している経済問題はいずれは日本も経験するものであるということを心に留めておかねばならない。

 ここで経済についてある程度の関心がある人は、アメリカの製造業の質と日本のそれとは違う、と言われるだろう。確かにアメリカを自動車業界から駆逐しつつあるのは日本の企業だし、日本の産業が作り出す精密機械の品質は世界に比肩する者がないと言われている。しかし、2年後に直面する2007年問題によって失う大量の雇用はこれらの産業構造などにに大きな影響を与えてしまうのではなかろうか。それは単に労働人口の減少による影響だけではない。現在の職に就いてから転職などをほとんどせずに企業一筋に頑張ってきた「団塊の世代」労働者と、転職を繰り返したり定職に就かない若い世代の労働者では、労働力の質に差が出ることが懸念されるのだ。

 日本の好調企業の筆頭であるトヨタも、電化製品の製造で堅実に成長を続けている松下も、それを支えているのは無数の国内中小下請け企業である。その国内中小企業で労働力の減退が起これば、それは親会社の大企業の業績にも重大な影響を及ぼしかねない。下請け企業の質が落ちれば、大企業はその存続のために下請けを海外発注に切り替えるかもしれない。そうなれば日本と将来的な経済のライバルとなるであろう韓国や台湾、中国に技術力提供の機会を与えてしまいかねないのではないか。

 日本でも数年前からIT産業のブームが始まり、現在は無形の産業であるデジタルコンテンツだけに立脚した企業も少なくない。IT業界の寵児であるホリエモンや孫正義が世間の脚光を浴びている様が、いつか日本の製造業が衰退することを示唆しているように思えてならないのである。

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