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2005年5月15日 (日)

半島の似非融和ムードを戒める

 韓国と北朝鮮は14日、昨年7月以来途絶えていた南北対話を16、17の両日に北朝鮮の開城で開催することで合意した。韓国側は会談の目的として第一に「南北関係の修復」を挙げ、第二として「核問題」を挙げた。
なぜ世界各国が北朝鮮の核問題に敏感になっている中で韓国だけ会談の第一義が「関係の修復」なのか。確かに北朝鮮の核開発は外交カードとして切り出したものであり、実際に撃ってくる可能性としては低いと考えるのが妥当だ。しかし第一義に挙げられている関係の修復とは韓国側からの北朝鮮への物資援助などのことを指すのではないか。世界各国が北朝鮮との融和的外交を止めて、北朝鮮を経済的政治的に孤立させている中で、これでは韓国が北朝鮮に助け船を出した格好である。

 韓国の大統領が金大中から盧武鉉に代わってから、韓国の対北朝鮮融和外交はその傾斜をさらに強めたように感じる。一方で韓国は日本に対しては歴史問題を挙げて強硬的な外交姿勢をとっている。このような韓国の周辺各国に対する外交姿勢は韓国が同民族である北朝鮮との併合を目指しているように思えるのである。今は北朝鮮は韓国と経済格差がありすぎていきなり併合というのは難しいのかもしれないが、経済格差がなければ韓国は北朝鮮との歩み寄りをもっと深めていたであろう。同じ民族である連帯感がそうさせるのであろうか。言語学者の田中克彦氏は著書『ことばと国家』の中で「母語とそれを共有する言語共同体との関係のみが人間の集団形成にとって自然的かつ根源的であり、それは国家の国境線すら無視してしまうような危険な政治的迫力を秘めている。」と述べている。

 しかし韓国の融和的外交姿勢は北朝鮮の側にすれば格好のエサであることを忘れてはならない。北朝鮮は韓国と同じ民族の国だとはいっても、その国の実権を一手に掌握しているのは朝鮮民族ではなく「金正日」一人なのだから。

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