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2005年5月31日 (火)

「危険」を増殖させる夢の発電施設

 やはり最高裁の判決は行政追随なのか――。福井県の高速増殖炉「もんじゅ」を巡って、周辺住民32人が国による原子炉設置の無効を求めた行政訴訟で、最高裁は30日、二審の金沢高裁の判決を破棄し、住民側の請求を棄却した。判決は「安全審査に看過し難い過誤、欠落はなく、許可処分が違法とはいえない」と述べた。一度事故を起こした前例がある原発がなぜ安全だと言い切れるのか。原子力安全神話などとっくの昔に崩壊しているのである。

 高速増殖炉とは、ウランを燃やして燃やした量以上の燃料(プルトニウム)を生成する原子炉である。燃料を生成するということから、「夢の原子炉」と言われた。しかし通常の原子炉よりも高温になるため、冷却剤を通常使われている水ではなく熱伝導性の高いナトリウムが使用されている。ナトリウムは非常に不安定な物質で発火しやすいという性質を持っているのだ。実際に95年12月には試験運転中にナトリウム漏れ火災事故が発生し、緊急停止を余儀なくされた。そのような「前科」を持つ試験段階の原子炉を稼働させることは、ただ危険であるとしか言いようがない。

 国はこれら原子力発電所を「安全」だと喧伝してきた。しかし同様に安全だと言われた新幹線も、いわゆる”食の安全”も既にその「安全神話」は崩壊してしまっているのだ。国が安全というお墨付きを与えたから、国が安全だと言っているから、という理由ではもはや信用できない段階にきているのだ。原子力発電所はその構造のあらゆる場所に危険性を抱えている。冷却系の配管、常時高温になる炉心、二次冷却系に利用される水の垂れ流し、炉心シュラウドのひび割れ、炉心容器の応力腐食割れ、、、それらは全て事故になる危険性が明らかに立証できるわけではないが、「安全」と言い切れるわけではない潜在的な危険性を抱えているのである。恐れていた事態が発生した場合にとてつもない被害が発生する原子炉において「ほぼ安全」という説明では済まされない。今回の最高裁判決は原子力事故に対する危険認識の甘さを露呈したものであると言えよう。

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